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特許の勘違い
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プリンタのインクカートリッジ再生品を販売する業者に、メーカー側が特許に抵触するとして販売差し止めを求め裁判で勝訴したという話。朝日新聞の投書欄では、「会社利益よりリサイクルすべき」「特許で縛るな」とメーカーを批判する投書が相次いだ。

よりよいものをより安く購入し、かつ再生品ということで環境に寄与できるなら、消費者の立場として一番望ましいことは理解できる。

しかし、65歳の無職の方が書いておられる「消費者の立場からものを考えようとしない企業は衰退する」「リサイクルされても次々とより良い商品を生み出すのが企業の使命」とは、世間話ならまだしも、新聞への投書としては考えが浅はかではないか。
むしろ、投書された方こそ、企業の視点にも立って物事を考えるべきではないのか。
まず、特許はなぜ存在するか考えたい。
特許とは技術的な発明である。技術者は多大な工数を用いて、また会社は多額のお金を費やして、苦労を重ねた末に編み出した技術、発明である。
もし、特許がなかったら、2番手以降の後発メーカーが一斉に真似をして、何ら苦労することなく、その発明を用いた製品で儲けることができるのである。これでは最初に発明したメーカーは大損であり、発明する意欲が失われ、結局産業の発展が停滞する。
それを防ぐために、発明した企業に一定期間独占権を与え、発明を保護して企業の利益を守るのが特許なのである。

ましてや、プリンタ業界の構造は、プリンタ本体を安く売る代わりにカートリッジなどの消耗品で利益を回収する構造であり、その消耗品販売を邪魔されたのでは、メーカーとしては死活問題であることも、我々消費者は認識すべきである。「消耗品はどこが販売しても良いではないか」という理屈を通すならば、当然プリンタ本体の価格上昇を覚悟しなければならない。

さらに、特許で縛ることがリサイクルを阻害すると考えるならば、これはとんでもない勘違いである。プリンタメーカーはかなり以前から電気店などにカートリッジの回収BOXを設置してリサイクルを促しているのである。特許とリサイクルをごっちゃにしてもらっては困る。

実は私は技術者の端くれであり、これまでに数件の特許を出願してきたが、現状の特許システムが必ずしも望ましい形になっているとは思わない。しかし、特許と言うものは決して企業がボロ儲けするために振りかざす剣ではなく、発明した権利を守る鎧のようなものであることをここで申し上げておきたい。

あと最後に、上述の投書を見て、こうした議論の中で考えが十分に深められていないことが気になった。2件の投書は中学生と65歳無職の方の意見であり、現役社会人ではないのがまだ救いではある。しかし何といっても、こうした人々が大勢を占めておりその声の代表が投書であるとすれば、日本人の論理的思考がにぶいことを如実に表しているとも言える。
「最近の子供は考える力がない」という結果が出ているが、実は社会全体がそうではないのか。そして、そうした浅い議論で世論が生み出され、社会が動いていくとなれば、この先大丈夫か?と思わずにはいられない。こんな結論にもっていく私こそ極端なのだろうか。

テーマ:朝日新聞 - ジャンル:ニュース

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